グランマの信州日記

〜地元食材を訪ねて〜

【田辺聖子 乗り換えて生きていくのが人生】


以前買った・・・

田辺聖子著「老いてこそ上機嫌」
文春文庫

著作集からの名言抜粋なので

時折、気軽に開いて、、、

なんとなくこの数年のわが身に

置き換えて読んでいます。


ーーー以下、本より転載ですーーー


『人と死別したとき、愛を失ったとき』

ことにその乗り換えが辛いのは、人と死別したとき、
また、愛を失ったときではないだろうか。
愛する者との仲を死で引き裂かれる、
これはたぐいもない運命の理不尽である。
その人といつまでも同じ電車に乗っていられると、
と思い込んでいたのに、
自分だけ、乗り換え駅で乗り換えなければならない。
どうしようもない。
一人で乗り換えた支線は心ぼそく淋しく辛く、
いつまでも慣れない。
ありし日の思い出、昔の夢に涙するばかり、
あたりに気をくばる余裕もないであろう。
そのうち、ふと、涙のあい間に窓の外の景色に
目をやるようになる。外は快晴である。
個人の悲しみなど知らぬ気に、晴れやかな眺め、
それにふと心奪われたとき、まさにそのとき、
「乗り換えーーーー乗り換えの方はお急ぎ願います。」
という声。悲しみからやっと立ち上がったとき、
その人は、乗り換えて別の人生をいきるわけである。


『新しい行き先を求めて』

若さや栄光を失うとき。愛や恋や物質的欲望を失うとき。
われわれは乗り換えしなければならない。
新しい行き先を求めて。
たとえ乗り換えの支線が気に入らなくても、
とりあえず下りなくてはいけないのだ。
そして、ようく考え、新たなる別の線の電車に乗る。
これもいつまで乗っていられるやら、
乗り合わせた人と仲よくなったといっても、
終点までいっしょにいけるのは奇蹟であろう。
人はみな見知らぬ相客同士、
ほんのひととき袖擦りあう縁に過ぎない。


『乗り換えて生きていくのが人生』

「乗り換え、乗り換えーーーー。
体力低下・気力低下線にお乗り換え願いまあす」
その連呼を耳にとめて、人ははっと我に返る。
そうか、ここで乗り換えしなくちゃならぬのだ。
いつまでもこの線でいいと思っていたのは、誤りであった、
ここから別の支線(それがあるいは本線・幹線かもしれぬ)
に乗り換えて生きなくてはならないのだ。
人はあわてて荷物をまとめ、発車間際の電車から
飛び降りるのである。
そうやって、乗り換え乗り換えして乗り継ぎをしつつ、
終点までやっていくのが、人間の一生なのかもしれない。





最近の都会の電車路線は複雑多岐で

乗り換え時にキョロキョロ、ウロウロ。

人生の乗り換えにも

方向音痴が災いして、、、

同じようにオタオタしています。

「乗り換えとは迷うものなり」ですね。。。