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「パリのおばあさんの物語」
スージー・モルゲンステルヌ 著
岸惠子 訳 ·
発行年:2008/10/01
フランスで20年以上も読みつがれている絵本。
パリに暮らす一人のおばあちゃんが、過ぎ去った昔を
振り返りながら、老いた日常を淡々と語っています。
歳をとったおばあさんが、編み物、料理、読書など
できないことが多くなってつぶやきます。
「やりたいこと全部できないのなら、
できることだけやっていくことだわ」 と。
(本から転載)
一人ぼっちのおばあさんにも、
陽気で忠実な連れがいます。
とてもお喋りで、歌ったり、踊ったり・・・。
そう、それはテレビです。
テレビをつけるとおばあさんは、
小さな我が家やキッチンを離れて
遠い遠い世界のはてに旅をすることができます。
ときには、こんなことも聞くのです。
「戦争、クーデター、テロリズム、飢餓、亡命」
おばあさんはつぶやきます。
「海では何が起こっているの。
まだ魚は釣れるのでしょう?」
地球はうごめき、混乱につぐ混乱で苦しんでいます。
ずいぶん前に読んで、、、
本箱の隅で忘れ去られていた本ですが、
今のウクライナ情勢から、ふと思い出して
読み返してみました。
おばあさんは、ナチスがはばをきかせていた
1942年のころをつらく思い出します。
ナチスに追われて、逃げ回わり、息をひそめて
生きながらえた苦しい日々を思い出しながら
おばあさんは問いかけます。
これほど悲惨な日々を
あなたは体験したことがあるかしら? と。
おばあさんの年老いた日常を、戦争の思い出話を
織り込みながら、明るく綴ってあり一言一言が
胸に響いてきます。
祖国を追われて、フランスに移り住んだおばあさん
あなたは、自分の国を
離れなければならなかったことがありますか?
約80年も前の戦争の思い出が、、、
現代になって、現実に起こっているなんて
あってはならないこと。
ウクライナの戦闘の
一刻も早い収束を願って止みません。。。